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「大丈夫?血が出てるよ。なんとか逃げれないの?」
「逃げれないことはないかもしれないけど、逃げたくないんだ。それより俺が持ってた黒い武器を知らないか?」
「これでしょ?戦っていた武器。いると思って拾ってきたよ」
「よし、これでなんとかなる・・・」再度戦闘態勢に切り替えようとする前に隠れていた遊具は“W”によって見事に吹き飛ばされた。
改めて“W”と対峙する。“W”も弱っているが俺という獲物を仕留めるのに命は惜しまない、そんな気迫が感じ取れる。実習というには少々苛酷ではないか。激痛どころか命の危険まで出てきている。
特殊武器を“W”に向け構えるがよろけて体勢を崩しそうになったのを曜子が支えてくれた。
「大丈夫なの?」
さっきまで冗談言ってたのが嘘のような瞳で心配そうに俺を見ている。それほど疲弊しているように見えるのか。女子高生に心配されるようでは情けないな。
「この武器があの黒いのに有効なら私がこれでやっつけてあげるよ」
俺のもつ特殊武器に曜子が手を掛けた時、武器の周りに電流が流れたように見えた。次の瞬間武器は俺の身長程の長さになり炎を纏っていたが熱さも重さも感じられなかった。
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