第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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「大事なものとか入ってた?」 「おばあちゃんがくれたペンダント。ずっと大事にするっておばあちゃんとの約束だから」 「そか。じゃあ取り返した甲斐があったな」 「それよりさっきの黒い奴、わさび屋の嫌がらせなわけないよね。ちゃんと説明してちょうだいよね」  ち ょうど頼んでおいた美味しそうなパンケーキが運ばれてきたが、マズイ話になった。  俺はドリンクバーのコーヒーを注ぐ為に席を離れた。どうしたものか。昔のヒーローじゃないし正体がバレたからと言って星に帰らなければならないとかじゃないし。  適当に誤魔化して話が広まるよりきちんと説明して口止めしといた方が後々良いのかな。  考え事しながらだとアメリカンかエスプレッソかも決めれずドリンクバーでボーっと突っ立っていたら、若造に声を掛けられた。 「オッサン、悩んでないで早くどけよ」 「ハハハハハ」 「あ、あぁすまんな」  ドリンクバー近くの席に数人暇を持て余してますって感じのチャラチャラした若造が、行儀悪く座ってこっちを見ながら笑っていた。  ここは新し く出来たと言っていたが、どこでもこういった連中っていうのはわらわらと湧いてくるんだな。     
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