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「単純なだけじゃないの?」
「お前なー」
曜子は嬉しそうな顔で自分のシフォンケーキを食べて満足げだった。俺はまだ食べていない追加のパンケーキが待ち遠しかった。
曜子と“W”の話をしている時も、ドリンクバーにいた若造達はウエイトレスのお姉さんにちょっかいを何度もだしていた。
ウエイトレスは困った様子だったが仕事なので仕方ないという諦めもあったのだろうか。時折男性のスタッフが歩いて店内の空気をたしなめる様子も見られた。
その若造共は店を出たと思ったが駐輪場で馬鹿みたいな、いや馬鹿の大声ではしゃいでいる。窓際に座っている俺たちからはその様子が見たくなくても視界に入ってくる。
若造だし大きな犯罪もしてないだろうから俺は“W”退治の練習になるのではないかと閃いた。それに曜子にまた“W”が見えるのか確認がしたかった。もしかしたらあの時だけだったかもしれないし、“W”の大きさや形で変化があるかもしれない。
「今から駐輪場で騒いでる大馬鹿野郎共の“W”を退治してくるから、また“W”が見えるかどうか確かめてみよう」
「万が一さっきみたいなヤバイ“W”だったら逃げるんだぞ。俺も逃げるから」
「ウタルは逃げる前提の勇者なんだね」
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