第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

13/75

56人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
 いや、こっちのセリフだし、お前が乗るのが悪いのだろうと思ったが言ってわかるならこんなことしてこないだろうな。  うずくまっている俺はケツを蹴られた。蹴りやすいポジションにケツがあったのだろう。 「ごめんごめん、丁度良い位置にケツがあったら蹴りたくなるよね。蹴ってくださいと勘違いしちゃうよね。ってんなわけないだろ!誰がオッサンだ!てめぇらいい加減にしろよ!ニート舐めんな!」 「ニートなのか?」 「もうニートじゃねーんだよ馬鹿野郎!てめぇら群れてたら態度大きくなりやがってふざけんじゃねーぞ!この野郎俺が痔だったらどうすんだ!」 「痔なのか?」 「いちいちうるせぇ!元ニートを発狂させんじゃねーぞ!全国のニートが発狂したらこんなもんじゃねーんだぞ!!!ぬおぉぉぉぉぉぉ!」  特殊武器をブンブン振り回しながら雄たけびを上げている姿は、今警察がきて事情徴収されたら俺が加害者の容疑がかけられるだろう。目撃者の証言でもこの人がいきなりニート万歳とか言いながら発狂してましたって言われるだろうな。  我に返ったのは一人目の若造から“W”が出た時だった。 「なんだそれ。かかってこいよ」  逃げも隠れもしないぜ掛かっておいでと言わんばかりにブンブン振り回す俺に対して立ち塞がった粋の良い若造の一人に特殊武器が炸裂したのだ。     
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加