第一章 夢から覚めたら

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 ただ、注意するほど時間の余裕がないので、今日の所は見逃してやる。今日の所はな。だから明日以降は俺に殺されないように社会に適合して生きることをお勧めするがな。  今日の所は見逃してやると今心に誓ってやったのに、その中の一人が指で俺目掛けてタバコを飛ばしてきやがった。  運よく、タバコは俺の足元に落ちて命中しなかったのだが、俺は見えないフリをして歩く足を止めなかった。  運よくと言うのは相手の方だ。俺がその気になったらこいつら全員皆殺しだからだ。  全員と皆は同じ意味なのに両方使うということは、こいつら二回は俺に殺されるということだ。  既に俺の頭の中では一回皆殺しにしているがな。  例えこいつらが働いて給料を得て生活をしていたとしても、社会に対してマイナス分が大きいので差し引きマイナスの存在なのだ。  それに比べて俺は、今は働いてないニートだが、社会になにもマイナスが無い分ゼロなんだよ。  将来有望な働く希望的ニートだと考えると、未来性分は今でもプラスな存在かもしれない。いやきっとそうだ。  その俺が今日、面接するというのだから、採用された日にはこいつらが一生追いつけない位プラスにリードする。ということなのだ。  今までの人生を後悔改める時間をくれてやるから、せいぜい長生きするんだな。  それにしても早く電車来ないかな。一秒でも早くこの場から立ち去りたいのだが。     
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