第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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「恐らく。少なくとも俺は後者だから。それより曜子は動画に映ってる“W”も見えるのか?」 「えぇ、肉眼で見てる時と同じように映ってるのが見えるわよ。この黒いバスケットボールみたいなのがウタルの言う“W”っていう奴なんでしょ?ちなみに仮にこの“W”が見えなかったと想像してウタルを第三者的に見ての感想が変質者だから」  改めて変質者に見える感想を聞いて、今後の“W”との戦い方や場所を選ばないと平和の為に戦う勇者は一般市民からしたら通報レベルの危ない変質者では格好付かないなと思ったが、なりふり構っていられない時は変質者より平和を取るしかないのかな。  それにしてもどうして曜子は肉眼で“W”が見えるのだろうか。一時のものかと思ったがそうでもない様子だ。所長が曜子と仲良くなれと言ったのはその事実を突き止める為に言ったのだろうな。これで連絡先も聞かずに二度と連絡取れませんって言えば使えない新入社員になってしまうな。 「ちなみに曜子は夢とかないの?」 「初対面の女子高生に夢とか聞いちゃう?」 「変かな?」 「ドン引きされちゃうよ?下心あるオジサンが良く使う手口の一つじゃん」     
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