第一章 夢から覚めたら

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 ふふ、おかしなことを考えてしまうものだ。電車は定刻通りに発着するのに、俺が早く来ただけで早く来ないかなと考えるなんて、笑止千万。まるであのDQN達から逃げたいと思っているようだが。  とにかくあんな奴らと関わることだけは、今後の人生でも避けたいものだ。  あのような奴らは一人じゃ何もできない癖に、つるんで集団になればなるほど態度が大きくなるものなのだ。  昔、俺が大学一年の頃、高校生くらいの馬鹿がタバコのポイ捨てをしたのを見た時、丁度相手も一人だったので注意したらボコボコにされたんだ。  それから俺は常に脳内でDQNと言われる社会不適合者を抹殺してきた。  そこで悟ったことは、見ない、知らない、関わらない。これに尽きるのだ。  この悟った俺でも、堪忍袋の緒が切れることもあるから注意しとけよと言いたいところだが、丁度電車が来たので二度と会うことはないだろうが、命拾いしたな、とだけ言っといてやる。        ※      電車内で恐らく会社の先輩と新人っぽい後輩だろう。  今日の説教タイムをこの電車での移動時間に決めやがった。  おい、その先輩とやら、そこまでにしとけよ。  だいたい後輩、まして新人なら先輩がスキル上なのは平安時代より昔から決まっていることだろうに。  平安時代の人からしたら先輩面してるお前なんかド新人中の新人も良いところなんだぞ。そこら辺を肝に銘じとけ。     
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