第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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「相変わらず怖ぇなぁ水沢ぁ。俺の所の綾女川と一緒だな」 「あんなゴスロリ露出狂と一緒にしないでほしいわ」 「確かにゴスロリだが露出頻度は水沢の方が・・・」 「彼女の露出は品がないただのエロの欲望よ」 「お、おぅ」  大声で俺を指摘してきた人も梓さんにはタジタジになってしまっている。  飛ばされた壁から痛そうな鼻を押さえながら戻ってきた所長に紹介され、大声の人がただの態度悪い客人ではないことを知った。 「こいつは、シロクマ支店所長の火傘車仁(ひがさぐるまじん)だ」 「ヨロシクなー、もやし新人くん」 「もやしって・・・」  俺は自己紹介をしたがしばらくはもやしと呼ばれていた。 「こいつ、口は悪いが顔も悪く本部のマタジ女子社員からもデビル雑巾ってあだ名で呼ばれているが、からしの売り上げはそこそこ良い支店の所長で新人育成にも力入れてるけど結局口の悪い人間の姿した雑巾適度に覚えておくといいよ」  酷い言われようだ。 「そう言うけど日比谷、売り上げも社会貢献もアルパカ支店より数字は良いし有望な社員も結構育ててお前のとこよりかは存在感示してるはずだぜ」 「女子社員の人気以外はうちは完敗だな」 「人気はイーブンだろ」  梓さんの厳しいジャッジが入る。     
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