第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

27/75

56人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
 昨日が面接で今日が初出勤だっていうのに聞いてないのですか?と言えば今手に持ってる俺が渡した特殊武器(ブラックソード)で殺されそうな勢いだから言わないでおこう。 「四年に一度開催されるルーキーによる格闘大会だよ!今回はこいつが出る。おい、挨拶しろ」 「てめぇには負けねぇ」  隣にずっと置物のように座っていた付き添い人がやっと喋ったと思ったらこれかよ。うちの所長が出ないって言っただろ。聞いてないのかと言いたかったがいきなりキレられると困るので言わないでおこう。 「だいたい俺、あの大会は賛成じゃないんだよ。あんな催し物するくらいなら社員旅行の質を上げてコンパニオンの数を増やすとか色々あるだろ?」 「それで喜ぶのはお前くらいだよ。だったら本部に入って改変すればいいじゃねぇか。以前から本部への昇進を毎回断ってるんだろ」 「俺は、現場で十分なんだよ」 「それより、未だにこの支所を離れられないんだろ」 「・・・」  所長はその事に関して何も答えなかった。しかしなんだろうこの取り残された感覚。     
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加