第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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「水沢、綾女川(あやめがわ)に言伝あるかー?」 「さっさと男作れ、このゴスロリ露出野郎」 「お、おぉ。それ言ったら俺が殺されそうだな」  火傘車(ひがさぐるま)所長は男には威勢が良いが異性には弱いのかもしれないな。 「帰るぞ!」 「で、では失礼します」  付き添いの置物君は火傘車(ひがさぐるま)所長の後を慌てて追っていった。 「じゃあな」 「てめぇには負けねえぞ」  だから何にだよ。振り向きながらボソボソ小さな声で聞こえづらかったが大抵こんなこと言っただろうなと予想はついた。結局付き添いの置物君は名前も名乗らず帰って行ってしまった。
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