第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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 駅と言う場所は色んな人が行き交う当たり前の場所なんだが、生活水準が全く違う環境で育ってきた人も視界に入るのはやむを得ない。一時に比べたら減ったと言っても未だに喫煙場所以外での喫煙だ。当然のようにタバコのポイ捨てにもなんら悪気なく平然と捨てる。タバコの煙が舞うだけでも不快に思う人もいるだろう。それが喫煙場所であっても煙はその場所以外にも進出してくるからだ。殺害や強盗などの犯罪も直接被害に遭わなければ対岸の火事かもしれないが、直接的に気分が不快になるのは指定場所以外での喫煙とポイ捨てだろうか。ならば(しらみ)潰しで“W”を成敗するのも意味はあるのな。  電車も着いたとこだし、ちゃっちゃと終わらしておこうか。 「ここ、禁煙ですよ。それにポイ捨て駄目!絶対」 「なんだお前」  大抵こんな返事が返ってくる。はい、ごめんなさいって言ったのは若い奴が一人いたくらいで後はだいたいお決まりのパターンで今回も期待を裏切らない。今日の奴らは三人とも俺より年上なんじゃないのか?三十歳前後かな。良い大人が社会のルールくらい守らないから子供達が真似するんだよ。 「ねぇ待った?さっき電車の中で気付いたんだけど学園に忘れ物しちゃったみたいなの。一緒に取りに来てくれるでしょ?だって取りに帰ってる間ここで待ってても仕方ないし。私の通う学園も見てみたいでしょ?あ、学園内で生徒と家庭教師が禁じられた不貞行為をしたら興奮するなって今妄想したでしょ?ったく相変わらずの変態野郎ね。さぁ、さっさと行くわよ。電車来ちゃうから」     
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