第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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 クラスメートの祥子という子は藤井という男子と一緒に電車を待っていたのだが曜子に見られて照れくさそうだった。その仕草がまさに青春という甘い感じがしてどこか微笑ましい。 「はぁぁぁん、わかった!付き合ってはいないけど付き合ってるような感じのけど付き合ってない、そんな感じだね!」  どんな感じかわからんが、お互い好きな気持ちは気づいているけど最後の一歩が踏み出せない感じなのかな。今の関係がずっと続けばいいのに、続くと信じてる。だけど他に良い人が出てきたらどうしようって不安にもなる。じゃあ付き合えば他の人より自分だけを見てくれる。だけど付き合ってしまえば独占欲が出たり会いたい気持ちが強くなって会えないのが辛い時もあるし、それで嫉妬したり喧嘩したりして仲が悪くなったら元に戻れなくなる。そうなるくらいなら今のままの関係がずっと続く方が幸せなのかな?って気持ちがループするのかな。 「藤井!答えは決まってるんだから男からビシッと言っちゃいなさいよ!祥子は良い子よ。私が保証するから」  二人の気持ちが一緒なら男から一歩踏み出すのは俺も賛同だ。頑張れ藤井君とやら。 「ちなみにこの人は私の家庭教師だから勘違いしちゃだめだからね!んじゃ頑張ってね!」  到着した電車に俺達二人は乗った。後の二人は逆方向のようだ。 「そんなに全力で否定するものなのか?」     
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