第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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「ちょっといつまで寝てんのよ!ったく信じらんない!さっさと行くわよ!」  降りる駅に到着して俺は曜子に揺さぶられながら目を覚ました。手を引っ張られて閉じそうな扉をなんとか通過して電車から降りた。 「しっかりしなさいよ!私が起きてなきゃ乗り過ごすところだったわよ」  曜子に怒られながら改札口を出たところでダミ声と共に空き缶が足元に飛んできた。 「しっかりしなさいよー」  振り向くとダミ声と愉快な仲間たち全部で五人がこっちに向かってくる。  来るときに成敗したタバコポイ捨ての仲間らしい。飲み会の待ち合わせで着いたところを丁度俺が成敗したところだったようだ。その内の一人が曜子との会話を聞いていて忘れ物を取ったらまたこの駅に戻ってくると言っていたから待ち伏せしてみようってことになったらしい。結局は三人の敵討ちというか暇潰しがしたいのだろう。武勇伝でも作って旨い酒が飲みたい年頃といったところか。三十歳前後に見えるんですがねぇ。育ちが悪いのか社会が悪いのか景気が悪いのか?俺は五人一気に特殊武器(ブラックソード)で切りつけ出てきた“W”を成敗した。     
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