第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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「そうよ。お母さんの方のおばあちゃんがくれたの。だから私の宝物なの。あったからいいけど忘れて一日ロッカーに置いてけぼりってのも不安でしょ?誰かに持っていかれたり無くしちゃったらおばあちゃんに怒られちゃうよ」  “W”が見えることよりもペンダントが手元にある安心感からのご機嫌なのかもしれない。 「私の部屋に大きな鏡があるでしょ?あの鏡と一緒にこのペンダントもくれたの。おばあちゃんも、おばあちゃんに頂いたんだって。なんでか知らないけどいつのまにか孫から孫に代々受け継いでいくことになったんだって。面白いでしょ?」 「面白いかどうかは置いといて、本当だったらその鏡もペンダントももっと大事にしないとな」 「そう。だからウタルと初めて会った時にひったくりにバッグ取られてときも中にペンダントいれてたからすっごく焦ったの」 「じゃあ俺はペンダントの恩人だな」 「今は女子高生の部屋で()からぬ妄想してる変態家庭教師だけどね」 「誘ってんのか?」 「マジサイテー」     
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