第一章 夢から覚めたら

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 ─2─   からし屋マタジ    <求人募集>  やる気と正義感があって時間も余っている人  年収一千万円 (研修期間あり)  経験不問 ニート歓迎  住み込み可 制服支給  興味ある方は裏の履歴書に記入して  気軽に面接してみませんか?  面接時の服装は普段着でOK!  からし屋マタジ   「どう見ても怪しい仕事だろう」  ニートで時間が有り余っている俺は駅ビルの中にある本屋で用事を済ませ、少し気分転換に商店街のアーケードを目的もなく歩いていたら、可愛いメイド服を着た無表情なバイトの女の子がチラシを手渡してきた。  金のない俺は、例えお得な情報であっても興味を示すことはなかったのだが、求人募集と記載されていたら無下に捨てるわけにもいかない。  このままずっとニートをするわけにはいかない。  好きでなったニートではない。  貯金を使いながら生きている、言わば計画性のあるニートなのだ。  だが、その計画では1年以内に就職する予定だったのだが、時が経つのは早いもので三年目に突入した四月が終わろうとしている。  大学二年の時に単位が足らず留年決定と同時に俺は大学を中退した。     
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