第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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 じゃあ俺が女性百人にモテるというのは『夢』だが女性一人と付き合うというのは目標になるのだろうか。残念ながら今のところ俺にとってはそれも『夢』で間違いではない。そう、人によって簡単なことでも、違う誰かにとっては夢のまた夢になるようなことも沢山あってそれはなんら恥じることはないのかもしれない。とある人にとっては正当な理由で女子高生の部屋で女子高生と二人っきりになるのが夢だという人もいるかもしれないが、俺は週に何日もそれを行っている。とある人にとっては羨ましいことでも当事者からすればなんてことはないのだ。だから人は『夢』を持たなければならないのだ。どんな夢でも良い、夢を追いかける事の人生が大事なのだ。  そう自己解決してしまうと曜子のもう一つの夢を聞かないわけにはいかないな。 「私、死ぬまでに行きたい場所があるの!」 「死ぬまでって大袈裟な。大抵の場所は時間とお金があれば行けるんだぞ」 「ムード出ない。そんなんだから未だに彼女の一人もできないんだよー」 「現実を言ったまでだが、やっぱり女性との会話で今のはマズイかな?」 「チョーマズイよ。腐った納豆くらいマズイよ。女の子が聞いてほしいって言ってるんだからテンション上げて聞きたい!ってくらいにしなきゃダメだよぉ」  俺は曜子の夢を聞くまでに何度男としてダメ出しをされるのだろうか。 「ちなみに海外は俺も行ったことないぞ」 「んーんー、違うよー。国内だよー」  曜子は首を横に振りながらニコニコと喋る。()めてくれ。幼い女の子がするような仕草を女子高生が自然(ナチュラル)にするのは反則なんだ。可愛いと思ってしまう俺の『ツボ』に入るから()めてくれ。     
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