第二章 此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い

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 逆に許せないのが自称アイドルと謳っている五流アイドル(もど)きがSNSやTVやネットに映った時に『わたしかわいいでしょ?』とあざとい仕草が俺は許せないんだ!狙ってやっているのが見え見えなんだよぉぉぉ!と超怒りチョースケになってしまうんだ。しかしその自称アイドルでも自分のタイプだったら許せるモードになってしまうのが男の(さが)なのが悔やまれるが。 「行きたい場所は瀬戸内海に浮かぶ直島ってところなの!」 「直島?瀬戸内海にあるのか?」 「知らないのー?私のねおばあちゃんの生れ故郷なの。おじいちゃんと結婚して転勤するまで住んでたんだって」 「おばあちゃんて、その鏡とペンダントくれた?」 「そう。私も小さい時に一度だけおばあちゃん達と行ったみたいだけど小さすぎて覚えてないんだ」 「直島ねー。その島になにかあるのか?」 「なにかあるってもんじゃないの!毎年アートを観に世界中から人が集まるのよ。特に今年は三年に一度開催される『瀬戸内国際芸術祭』の年なの。絶対行きたい!前回は受験勉強があったし今年は絶対行きたいの!」  今年も受験生じゃないか?しかし瀬戸内海って聞いても俺はピンとこなかった。小豆島(あずきじま)なら聞いたことあるような。小豆島(あずきじま)と書いて小豆島(しょうどしま)って読むんだよな。直島ねぇ。 「直島以外の島はなにもないのか?」 「いーっぱいあるわよ。瀬戸内海に島が沢山あって、その島の中に現代アートが点在してるのだけど瀬戸内国際芸術祭(せとげー)の時は特に観光客が多いの。中でも直島は別格なのよ!」 「なにが別格なんだよ?」     
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