第一章 夢から覚めたら

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第一章 夢から覚めたら

 ―1― 夢でも君に逢えるなら僕はなんでもするよ    俺たちは裸で抱き合っていた。  ただ、此処がどこなのか、相手が誰なのか、全くわからないでいる。  ただ、裸で抱き合っていることだけはわかっているのだ。  裸で抱き合うくらいだから親しい相手なのだろうが、あいにく抱き合えるような恋人も親しい友達も知人もいない。  それに、相手が誰だろうと、裸で抱き合うくらいなのだから、ベッドか布団くらいはあっても良さそうなのだが見当たらない。  そもそも横たわっている感触がない。立てっているのか?いや、足にも感触がない。  ふわふわして気持ち良い感覚はまるで、水中の中にいるみたいだった。  それにしては普通に呼吸ができるし、苦しくない。むしろ気持ちが良い。まるで夢のようだが、おそらく夢なのだろう。  昼なのか夜なのかわからないが、視界に入る限り一面はピンク色に近い赤紫とでも言うのだろうか、プールに水を入れたら水色に見える、そんな感じだろうか。  さて、気になるのは抱き合ってる相手なのだが、なびく髪で女の子だということがわかる。  これで短髪のガチムチのお兄さんだったら、俺は溺れて沈んでいくのだろう。     
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