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その瞬間、光が収まる。映像は話していた男の楽しそうな笑みで終わった。ゆっくりと目を開けるとそこには瑞香と女の子が立っている。しかし瑞香の目に感情はなく、ぼーっと俺たちを見ている。
「瑞香…?」
達也が呟き一歩前へ踏み出す。しかし瑞香は反応しない。
「さあ、戻りますよ。え、なに?別れ?仕方ありませんね。」
女の子が一人でぶつぶつと言ったかと思うと、ぱちんっと指を鳴らした。その瞬間、瑞香の目に光が戻り、ボロボロと涙をこぼす。そして一言呟いた。
「ごめん、なさい…。」
訳も分からず立ちすくむ俺たちを見て、俯く瑞香はなおも話し続ける。
「私たちが、いけないんです…。あんな、人間を殺すことが遊びだなんて…。」
「君は…」
達也がかすれた声を出す。
「君は誰なんだ…。」
その言葉に瑞香はゆっくりと顔をあげ、はっきりと言った。
「私は天上に住む神々が一人、名を、水香と申します。」
言葉の意味がよく分からなかった。少し壊れたラジオを聴いているような感覚。
「一体…どういう……。」
達也が声にならない声で言う。その言葉に水香はまたしても瞳に涙を浮かべながら言った。
「私達は今から4日前。とある勝負を始めました。それも、自らの神力を使い、人々を消していくという勝負です。誰が最も多くの人間を消すことができたか、これで勝敗を決めたようです。私はたまたまその席におり、止めようといたしましたが間に合いませんでした。たとえ神であっても、一度決められた勝負を無しにすることはできません。そこでわたしは、死にゆく人々の魂をなんとかこの世界にとどめようとしました。この世界は人が神と対話できる唯一の空間です。なんとか人の手で神を説得してもらおうと思ったのです。しかし、死にゆく魂をとどめるのは、大罪であり、また大量の神力を使うもの。私は2人の人間しか、この世界に送ることはできませんでした。そして神力を失い神でなくなった私は、天上から逃げるようにこの世界にやってきました。自らの記憶を固く封じて。」
水香はそう一気に言ってのけると、また深々と頭を下げた。
「しかし、今ここにおいでになられております輪花(りんか)様が約束してくださいました。私がまた天上に戻れば人の世を元に戻すと。」
水香はそう言って女の子の方を向き頭を下げる。
「輪花さま。よろしくお願いいたします。」
輪花はにこにこと笑い、
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