誰かの終わり

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いつもの街、いつもの景色、いつもの香り、いつもの習慣……。そんなものにそろそろ飽きてきた。 何もやる気がしない。別段やりたい事も無い。でもとにかくこの暇というものが恨めしくて仕方がない。 ああ、もうこんな時間だ。 どんなに無気力であろうと腹が減るのが生き物で、憎くも僕は生きている。財布に千円札を入れ、ワンルームの狭い家を出た。よく晴れた空も生まれてから何度見たんだろう。適当にコンビニで弁当を買って帰ってきた。今日はバイトも入ってない。無気力な僕は、誰かに言われた事をやってるぐらいが一番幸せなのかもしれない。今日一日、一体僕は何をして生きれば良いのだろう。そもそもなんでここまでして生きてるんだ。社会っていう緩い鎖に囲まれた生活は、僕にはとても生きづらい。 もう、いいかな……。 僕は、台所の一角に目をやった。
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