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早坂さんは下着だけ替えを買い、家にやって来た。
「・・・じゃあ、奥、どうぞ。少し準備するので、あちらで待っていてください。」
リビングに通し、部屋を暖めた。私は急いで、お風呂の準備やら、ご飯の仕度を始めた。
始めは、手伝うと言ってくれたが、お客様なので、断り、コーヒーを出し、お風呂の湯が溜まったら、先に入って貰い。私は、テキパキと用意した。大変、不本意ながら、手料理をご馳走する羽目になった。
多少、家事をやっていて良かったとばかり、今日ばかり、思ったことはない。ただ、ちょっぴり期待してしまう。
彼女持ちであると解っていても、少し位、自分に振り向いてくれたらと思う。
「・・・料理、旨そう!」
「だいぶ、頑張りましたよ。家にあるもので作りましたけど…」
「ああ、良い嫁になりそうだな。戴きます!」
トンでもない殺し文句。
「旨い。胃袋、掴めるんじゃないか?恋人になる男が羨ましいな。」
とべた褒め。嬉しい。
“じゃあ、恋人になってと言ったら、気持ちに答えてくれますか?沙月さんには敵わないよ。だから、期待させないで欲しい…”
彼に気付かれないように小さな溜め息を吐いた。
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