乱気流

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「じゃあ俺行くな。休みだからってだらけ過ぎるなよ。」 「お兄ちゃん、いってらっしゃい…。」 そして俺は最寄駅へと向かった。 その途中、地元のパン屋の前を通ったとき、そこの店主から恵方巻パンとかいう訳の分からないパンを貰った。 この店主、変り種のパンをめっちゃ出すんだよな。 土用の丑の日に行ったら、 うな重パンとか出してたし。 まあ、電車に乗れ、更に座れた訳だが。 「…zzz…。」 隣で女の子が寝てるんだが、 なぜ俺の肩に頭を置くんだ…。 この子の事、 知らねえんだよな。 あ、この制服は姉さんが少し前まで着てたやつだ。 つまりはと言うと、 俺と同じく、諸星高校の生徒なんだろう。 制服のシワが無に等しい所を見ると、 俺と同じで、新入生なのだろう。 こうして見ると、普通に顔面偏差値高いな…。 …やめよう。 これ以上見てたら変な奴だと思われてしまう。 で、3駅ほど進んで降りる駅に着いた訳だが、 「zzz…。」 相変わらず寝てるよこの子。 仕方ねえ、起こすか。 俺まで遅刻しそうだし。 「もしもーし、諸星高校の最寄り駅だぞー。」肩トントン 「…うみゅ…。…!?…え、も、もう!?それと貴方誰!?」 「そりゃこっちの台詞だよ。同じ高校の人間とは言え、知らねえやつの肩に頭を乗っけて寝てるなんて、夜寝れなかったのか?」 と聞くと、 「ええ、少し、ね…。」 と言う。 「まあとりあえず降りよっか。」 電車を降りた俺はその女の子に、 「俺は結城凌馬。今日から諸星高校に入学する。」 と言うと、 「私は朝田詩乃。結城君と同じく今日から諸星高校の学生になるわ。」 と軽く返してくれた。
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