きみのこと

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「話したいことってなに?」 融花はすぐにやって来てくれた。そして俺は、意を決して告げる。 「俺はタイムリープしてきたんだ。名前が雪に原で雪原、融ける花で融花なのも知ってるし、……二十歳になると融けて死ぬことも知ってる。最期、融花は俺に内緒にしてて後悔してたから、俺は今ここにいる。」 「……バレちゃったんだ、ごめんね。でも、瑠斗は私が死んでも覚えていたんだね。うれしい。」 「それでな、融花。どうせなら、大学を休学してやりたいことしよう。5月21日まで。俺、付き合うよ。何でも付き合う。だから、後悔残らないようにしよう?」 「……いいの?私、ずっとほんとはどうせ二十歳に死ぬんだって諦めて生きてきた。瑠斗と付き合えたのもワガママだって思うくらい。ほんとに、いいの?」 「ああ、いいよ。どこでも行こう。何でも食べよう。お金だってなんとかなるさ。旅にだって出れる。」 融花はボロボロ涙を流しながらありがとうといってきた。そして、その夜俺達は初めて体を重ねた。
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