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融花の体は死期が近づいているからか少しずつ、動くのが厳しくなっていった。5月19日。俺は融花と一緒に飛行機で北海道までいった。旅館につき、5月20日。融花はほとんど眠っていた。たまに起きて、好きなものを食べて、好きなことをいって、寝るような、そんな感じだった。俺は融花のそっ頭を撫でる。すると、
「ごめんね、瑠斗。泣いてるよ」
気付いたら、いつも泣かないようにしているのに涙がこぼれていた。
「融花、失いたくないよ。ずっと一緒にいたい。」
そういえば!といって融花はカバンをごそごそして手の平ほどの小瓶をだした。
「これに私の水を入れて、私だと思って。雪原家の水は綺麗なんだよ、朽ちないの。枯れないの。」
「……うん。わかった。」
そして、運命の日が来た。
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