後日談

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あの日、融花が融けた日、小一時間ほどあの場所で泣き叫んだ。記憶は消えなかった。融花が残した小瓶や指輪や服を抱き締め。それから、婚姻届は役所がしまるギリギリの時間に飛行機にのれて間に合って出せた。晴れて、夫婦になったのだ。 俺はあれからみっちりバイトして借りたお金を返し、直哉の研究室にも被験者として顔をだし、なんとか大学を卒業し社会人として生きている。融花の溶けた水を朝日に照らす。キラッと輝いた。うん、きょうも頑張るよ。愛してる。小瓶をおき今日も融花がいない日々を生きていく。
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