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この前の帰り道、連絡先を聞いたら快く教えてくれて、今日に至る。12月の第一週の土曜日。今日は待ちに待った悠花さんとのお茶の日だ。待ち合わせ場所へ行くと白のモコモコのジャケットに赤いマフラーをしたボブヘアー小柄な女性、悠花さんがいた。こちらに気づくとトコトコと走って近付いてきてくれたので、俺も走って近付いた。
「こんにちは、悠花さん、お久しぶりです」
「こ、こんにちは……!瑠斗くん、久しぶり……」
彼女はマフラーに顔を埋めている。少し見える顔はほんのり赤かった。
「顔赤いですけど、大丈夫ですか?」
「やっ、やだ!赤い!?やだ~!」
と、彼女は諦めたようにマフラーから顔をだしパタパタと手で顔を扇ぐ。
「どうしたんですか?」
「あ……、えっと……その……。」
それからボソボソと赤くなってる理由を教えてくれた。
「……瑠斗くん、走ってきてくれたでしょう?だから……その……カップルみたい……だなって意識しちゃって……ごめんなさい」
言い終わると彼女はプイッと方向転換し、お茶行こ!と歩いていってしまった。俺はそれについていく。ボソボソと呟くおちょぼ口が可愛すぎて、言った言葉が可愛すぎて、俺は悶絶しそうだった。だけど、俺にはこれから重要な役目がある。
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