出会い

7/8
前へ
/24ページ
次へ
この前の帰り道、連絡先を聞いたら快く教えてくれて、今日に至る。12月の第一週の土曜日。今日は待ちに待った悠花さんとのお茶の日だ。待ち合わせ場所へ行くと白のモコモコのジャケットに赤いマフラーをしたボブヘアー小柄な女性、悠花さんがいた。こちらに気づくとトコトコと走って近付いてきてくれたので、俺も走って近付いた。 「こんにちは、悠花さん、お久しぶりです」 「こ、こんにちは……!瑠斗くん、久しぶり……」 彼女はマフラーに顔を埋めている。少し見える顔はほんのり赤かった。 「顔赤いですけど、大丈夫ですか?」 「やっ、やだ!赤い!?やだ~!」 と、彼女は諦めたようにマフラーから顔をだしパタパタと手で顔を扇ぐ。 「どうしたんですか?」 「あ……、えっと……その……。」 それからボソボソと赤くなってる理由を教えてくれた。 「……瑠斗くん、走ってきてくれたでしょう?だから……その……カップルみたい……だなって意識しちゃって……ごめんなさい」 言い終わると彼女はプイッと方向転換し、お茶行こ!と歩いていってしまった。俺はそれについていく。ボソボソと呟くおちょぼ口が可愛すぎて、言った言葉が可愛すぎて、俺は悶絶しそうだった。だけど、俺にはこれから重要な役目がある。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加