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病は医術によって癒える。だが呪いは医術では癒すことは出来ない。昨今では実に多くの者が呪いによって苦しめられている。
我が師は云った──これほど呪いの満ちた時代はない。
それは何故でしょうか──幼い私は訊ねた。師は難しい顔をして、無言でかぶりを振った。
世間には人に呪いをかけることを生業とする者たちがいます。その者たちを全て排除したら、この世界に呪いで苦しむ人はいなくなるのでしょうか──私は再度訊ねた。
ルシオラよ──我が師は云った。お前の正義感は、まるで研ぎ澄ました剣のようだな。
ありがとうございます──私は頬を熱くして答えた。正しくないものがはびこる世界など、間違っている。
呪いを受けた者はみな哀れだ。私の母親も呪いによって憔悴し、無残に死んでいった。呪いを受けた者はみな不幸だ。若さや美しさを根こそぎ奪われ、いきいきとした生命力を失ってしまう。
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