解除師《げじょし》

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「薬草は一角獣が護っています。若い娘でなければ、薬草に触れることも出来ません。けれど、私はこの村から出られないのです。出ようとすると、頭が割れるように痛くなり、息が苦しくなって、手足が痺れて動けなくなってしまう……。村の他の娘たちに頼もうとしても、みな私と同じように村の外へは出られないのです」  途方に暮れたように、娘は吐息した。 「この村には医者がいません。薬草がなければ、明日にでも父は死んでしまうかも識れません」  私は力勁く娘に云った。 「私がお助けしましょう」 「貴方はお医者様なのですか?」 「いいえ、私は医者ではありません。だからお父上の病気を治すことは出来ません。しかしあなたや、村の他の娘さんたちの呪いを解くことは出来ます」 「呪い?」  娘は大きく目を見開いた。
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