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「そうです。あなたは悪い呪いにかけられている。だから村の外へ出られないのです」
「そんな……、どうして私が呪いにかけられてしまったんですか?」
「それは私には判りません。ですが私はあなたの呪いを解き、あなたの望みを叶えることが出来る。私は解除師なのです」
私はその場で娘の呪いを解いた。娘はこわごわと村の外へと一歩踏み出した。これまで彼女を苦しめていたものたちは、もう彼女を襲わない。
「ああ、本当に! これで父さんの薬草を採りにいくことが出来る!」
睛に光が宿り、はればれとした表情になる。生命力が蘇ったのだ。
親孝行な娘は喜び勇んで森へと駆けていった。それから私は村中の娘の呪いを全て解いて回った…………。
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