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バレンタイン後の景色。
登下校一緒だった友達は彼氏と、お弁当を一緒に食べていた友達も彼氏と。それは、男子も同様、あぶれてしまっている子たちを見掛けた。
でも、うちの学校は、バレンタインに破れし私たちに優しかった。
バレンタイン翌日、放課後、ロックな先生たちが、今年も『バレンタインに破れし者たちの集い』を、体育館で開催してくれた！
独身街道まっしぐらの、岩ン巻な岩巻先生が、伝統の開会宣言を声高らかに叫んだ。
｢みんな、愛し合ってないよなーーーッッッ！｣
｢Yeahーーーッッッ！｣
そして、私たちは順番に舞台に上がり、それぞれに思いの丈を叫んだ。
｢チョコレートなんかッ、自分で買って食ってやるーッッッ！｣
｢いいぞーッ！｣
｢私たちだって、いつか幸せになってやるーッッッ！｣
｢Yes, We Can！｣
岩巻先生が再び舞台に上がり、マイク越しに、独身のマドンナ先生を口説く小芝居が始まった。
｢先生、僕なんか、どうですか？｣
｢教師として尊敬していますが、恋愛の対象ではありません！｣
｢……だってよ～ッ！ ニャッハ～！ みんな、コレが大人の断られ方だZ《ゼ》ッ！｣
みんな爆笑だった♪ 岩巻先生は、いつもノリノリの自虐ネタで盛り上げてくれる♪
｢みんな、失恋気分は昨日までだッ！ 今日から新年だと思って盛り上がろうZッ！｣
ー おりゃッ！ ヨイショ！ …… ー
餅つきが始まり、みんなで餅を丸めた。舞台では、軽音楽部がノリノリで、会場を盛り上げた。バレンタインに破れし私たちは、ヘコんでいる暇もないお祭り騒ぎだった。
窓の外から、カップルたちが勝ち誇った様子で、会場を眺めていた。岩巻先生がそれに気づき、
｢あ、カップルたちが、俺たちを痛々しげに見てやがるZッ！ 出来上がった餅、ちょっと持って行くZ～！｣
｢えぇ～～～ッ！｣
会場がどよめく中、岩巻先生が餅をたくさん運んで行くと、カップルたちが幸せそうに拍手喝采！
｢餅、美味ぇ～Z～！ さぁ、どうぞ～！ ……って、やんねぇ～Zッ！ おめえたちゃ、互いにヤキモチでも焼いとくんだZッ！｣
って、クルリとカップルたちに背を向けた！ ロックな先生に、みんな、涙したZッ♪
参加賞は、チョコかと思ったら、岩巻先生サイン入り生写真だった！
いらねぇ～Zッ♪
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