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次の日曜日には、もう一人知らない爺さんが傍で絵を描きだした。そのまた次の日曜日にはこれまた知らないおばさんが横で絵を描きだした。
私もプロの端くれなので、皆私の絵を褒めてくれたが、自分としてはどうもピンと来ずニジマス少女の絵には何があるのか考えていた。
ところでシマアジみたいなおばさんとニジマスはともかくとして、もう一人の爺さんの描く絵と来たら、はっきり言ってそれが風景なのか人物なのか、食べ残しなのか分からないような代物だった。
しかし私は公園で三人と一緒に絵を描くのが少しずつ楽しくなってきた。そんな矢先、とんとニジマスが公園に来なくなった。ニジマスがいないとなると私は突然面白くなくなった。
そうなると私の描く絵の方もまるで悪くなった魚の様によけいに泥臭くなった。しかも、もちろんおばさんも爺さんもニジマスが何故来なくなったのかは知らなかった。
それからしばらくして例のイトウの絵が売れた。買ったのは近所でレストランをやっているオーナーとかで、私はあの絵がお気に入りだったこともあって、それを見る為がてら一度その店に行ってみた。
あの絵は店内に飾ってあったので私はそれが良く見える場所に座って、焼き魚定食を食べながら暇つぶしに店の主人と絵の事を含めいろいろと話をした。
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