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趙家軍は敵陣を引き裂きながら駆け、神馬坡の砦の南隅へと回る。魏家軍が南門から突出して金軍を退け、趙家軍を誘導した。趙萬年を先頭に、ほぼ失われないままの五百騎が砦へと飛び込む。
魏家軍の頭目、魏友諒が趙家軍を迎えた。
「よく来てくださった。本当に、何と心強いことか!」
馬から降りた趙萬年、趙滉、王才は抱拳して一礼し、すぐさま挨拶を切り上げて本題に入る。趙滉が話し手となった。
「趙家軍の長、我が兄たる趙淳より言伝を預かってまいりました。魏帥、神馬坡を捨て、襄陽に御入りください」
「仲洌殿、それはまことに伯洌将軍がおっしゃったのか?」
「まぎれもなく兄が申しました。均州、棗陽、光化は既に金賊の手に落ちました。兵力が少なすぎたのです。堅固な城壁に拠ってさえ、金賊の大兵力に抗うことができなかった。襄陽は失敗できません。一兵でも多く襄陽に集めねば、我々には打つ手がないのです」
「あいわかった。ならば、この砦を破壊しよう。金賊に利用されるのは癪だ」
「作業を御急ぎください。兄は期限を切って襄陽の城門を閉ざします」
「籠城するのか? 期限とはいつだ?」
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