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「京西北路ってことは、湖北の中でも北側一帯の面倒を特に重点的に見ろって?」
「そうだ。趙家軍の皆に知らせて、出立の準備をさせねえと。任地は襄陽だ」
「ちょっと待てよ、大哥。襄陽には趙家軍の全員を引き連れていけって指示なのか? 一体、襄陽で何が起こるんだ?」
「戦だ。金賊が攻めてくる」
「戦? 何で?」
「去年あたりから国境付近が騒がしいって噂は届いてくるだろう? そいつがどうやら深刻化しているらしい。朝廷への宣戦布告があったんじゃねえかと思う。辞令に添えられた訓示も、いやに物々しかった」
「でも、よりによって、襄陽を任されるのがオレたちなのかよ? 襄陽が最前線になるのは火を見るよりも明らかだ。朝廷はオレたちに危険な役を丸投げして、手前らでは軍を興しもしねえんだろ?」
「朝廷の素人どもが軍事行動を起こしたところで、俺たちの足を引っ張るだけだ。せめて軍資金はせしめようと思うが、どうなるかな。この湖北だけじゃなく、淮南も四川も軍備の強化が図られているらしい」
「ウザ金と国境を接した地域全部が危険地帯ってことか。全面戦争じゃねえか」
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