4、上手くいかないこともある

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 今日の合奏は、昨日よりもひどかった。日に日に、私がここに居ていいのかという気持ちが強くなる。曲を壊してないか、心配は消えない。大太鼓を鳴らさないと、どこか合奏が締まらないのも分かっていた。音源では、大太鼓が鳴ることで、リズムが生まれてめりはりが聞いていた。でも、どうしても音を出すことが怖かった。  鳴るべき音が鳴らないのを不審に思うのだろう。前に座って楽器を吹いている人達の中には、こちらをわざわざ振り返って見て来る人までいる。分かってるよ、私じゃだめなことくらい。 そそくさと楽器を片付けていると、室伏さんが話しかけてきた。 「今日、クラリネットのパートリーダーが来てるから、挨拶してって」 「あ、うん」  ついて行くと、クラリネットを吹いている髪の長い女の人がこちらを振り返った。化粧が濃いい。ギャルっぽかった。遊んでた私よりずっとギャルな感じ。パートのトップなんだから三年生だ。先輩だろう。 「あのぉ、三島です」  言って、ぺこりとお辞儀をする。室伏さんがすかさず、「この前話した、二年の新入部員です」と紹介してくれた。 「あぁ、あなたがか。よろしくね」  にこりともせずにその人は言った。ちょっと怖そう。     
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