5、不真面目な友達と私の作戦

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5、不真面目な友達と私の作戦

 教室での昼休み。お弁当をいつものように一緒に囲みながらも、私たちのテーブルはなんだか盛り上がらなかった。友美は終始むすっとしている。他の事情を知らない二人は、ちらちら私と友美を順番にうかがう。 「何か、あった?」  口パクで聞いてきたのは、千佳だ。私は頭をふった。でも。  正直こうやって今日もこの四人組でお弁当を食べられたことに少しほっとしていた。昨日友美の機嫌をそこねたとき、もしかしたら明日から一人かもなと覚悟した。でも、友美は私を仲間外れにするなんて子どもっぽいことはやらなかった。  昼休みに、こうして四人ででいるとき「付き合いが悪いんじゃない?」って言い出さなかったのは、多分、友美なりの配慮だったのだ。  そういうところが、結構好きだ。改めてそう思う。そりゃ不真面目なところもあるし、めんどうくさいところもあるけど。分かりやすくて、優しくて、裏表がない。室伏さんと違って、分かりやすい。ちらりと室伏さんの方を確かめる。教室の端で、地味そうな女の子と二人でお弁当をつついているのが見えた。  今日の放課後、ちゃんと友美と話をしよう。そう思った。
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