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「あれ、三島さん今日行かないの」
教室で友美を誘うタイミングを計っていると、室伏さんが話しかけて来た。放課後、いつもなら音楽室に走っている時間だ。
「うん、今日はちょっと」
言葉をにごす。友美と話さないと。それに、昨日少し熱が冷めてしまった。クラリネットのパートトップの態度、私に教えるのが少しめんどうくさそうだった室伏さん。そして、うまく打てないままの太鼓。
「じゃ、休みって言っておくね」
淡々と室伏さんは答えて、教室を出ていってしまった。そうか私今日は部活を休むのか。他人事のようにそう思った。ちょっと遅れていけばいいかと思っていたけど。
私にしては、数日間頑張ったんだからいいか。そう思い直した。一日休んだっていいかもしれない。それに、ちょっとここらで本当にこのまま続けるのか考えておいた方がいい。
ちょうど一人になった友美を、私は誘いに行った。
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