5、不真面目な友達と私の作戦

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 友美に謝るはずが、いつの間にか私の相談になっていた。それでも友美は、「そうなんだ」と、親身になって聞いてくれていた。 「で、今日の練習は」 「あー、今日は休んだ。だって、友美と仲直りする方が大事……」 「だめじゃん!」  いきなり友美が叫んだので、周りの客がこちらを一斉に見た。私は、しぃっと友美を黙らせようとしたけど、友美は止まらなかった。 「せっかく、やろうと思ったのに。そんな簡単にあきらめちゃだめだし。そういうのって、練習休まない方がいいんじゃない?」 「だ、だけどさ」 「ヤコ、ただでさえできないんでしょ。人よりやんなきゃなのに、休んでどうするの」 「でも、もう放課後遊べなくなっちゃうの? それでいい?」 「私のことなめんな」  友美はばんばん机を叩いた。 「ヤコがやりたいこと見つけて、やるならそれが嬉しい。なんかいいなって思う! だからさ、ちゃんとやりなよっ」  友美は私の手をぎゅっと握って来た。手が熱い。さっき机を叩いてたから少し赤くなっている。 「やってよ、ヤコ。私に演奏聴かせて」 「わ、わかった」  圧倒されながら、私はうなずいた。 「今から行きなって」  友美に鞄を渡されて、私は立ち上がった。 「うん、今から練習行ってくる」 「行って来て! あまりは私が飲んどく!」     
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