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授業が終わって、ホームルームまで少し時間があるのを見はからって、私は教室の端に移動した。
「ねぇ、室伏さん」
教室で、はじめて室伏さんに話しかけた。周りが「あの二人って仲いいんだっけ」とひそりと話したのが聞こえて来た。
「クラリネットさ、時間作って教えてほしいんだ」
室伏さんは、目を真ん丸にした。
「すごいやる気だね」
「だって、そうしないと間に合わないから」
うん、と室伏さんはうなずいた。
「分かった。朝練しよう。私結構朝早く来て、自主練してるから、その時でよければ」
「もちろん」
「あとね、もう一つ提案があるんだ」
室伏さんはそう言い、今日の放課後ついて来るように言った。
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