稲本団地

3/7
65人が本棚に入れています
本棚に追加
/162ページ
 この姉弟がどれぐらい祖父との関係が悪かったかというと、余りにも触れていけないオーラを出しているため、朱理がすでに母方の祖父母が亡くなっていると思っていたほどだ。我が母と叔父ながら呆れて物が言えない。  法眼は(いぬ)()()という修験寺の住職で叔父よりも験力について詳しいが、会ってみると祖父も祖父で問題があった。  さらに厄介な事件に何度も巻き込まれつつ、朱理は戌亥寺で二年以上修行してそれなりに験力を操れるようになった。  そして懐かしい友がいるこの稲本団地に帰ってきたのだ。
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!