65人が本棚に入れています
本棚に追加
もちろん彼一人でやったわけではない、多くの仲間たちと共に壊滅に追い込んだのだ。
ところがある雑紙に、悠輝が独りで教団を壊滅させて姪を救い出したという内容の記事が掲載された。そしてその記事を読んだ人たちから、カルトに入信した家族を取り戻して欲しいという依頼が来るようになってしまった。
どうして悠輝の個人情報が判ったのか、彼はアークとの一件で警察から指名手配を受けており、実家の戌亥寺もニュースで報道された。
戌亥寺は宗教法人だ、電話帳に番号も出ている。つまり鬼多見悠輝に連絡を取ろうとすればさほど難しくない。
最初は戌亥寺の住職であり普段から偉そうなことを言っている法眼にやらせようとしたが拒否された。お前に来た依頼なのだからお前がやれと言うのだ。
姉には頼まなかった、労働意欲が元もと無い彼女がやるわけがないし、下手なことをして機嫌を損ねると厄介だ。それに本来悠輝がやるはずだった朱理のマネージャーをやらせている、これ以上借りを増やすのはリスクが余りにも高い。
結局、自分がやるしかなかった。それにアークの一件でバイトはクビになり、ヒマだったのも事実だ。
最初のコメントを投稿しよう!