佳奈の部屋

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佳奈の部屋

「いやぁああああああッ!」  尾崎佳奈は自分の悲鳴で眼を覚ました。  身体を起こし、ここが自分の部屋で今まで寝ていたことを確認する。   今度は笹川さん……  佳奈は頭を抱えた。殺そうとしているのは実在の知っている人物ばかりだ、特に怨みがあるわけではない。いや、佳奈は怨んでなどいないと思っている。   でも、みんなわたしが受けたオーディションにいた。やっぱり、父さんの言ったとおり……  佳奈は上京するために両親を説得するとき父に言われた、 「おまえは必ず成功する。だが、それは誰かの幸運や努力を奪った結果だ」  その覚悟がお前にはあるのか、と。  当時、佳奈は本気にしていなかった。確かに自分は運が良いと思っていたが、それが『座敷童子(ざしきわらし)』のせいだなんて信じたことは一度もない。  そう尾崎家には『座敷童子』が憑いている。実家にいる間は家長である父を中心に幸運が舞い込んでいたらしい。  考えてみると尾崎家は誰も働いていないのに経済が潤っていた、父がしている投資だけで豊に暮らせていたのだ。  さらに父はこう付け加えていた、一人暮らしを始めればお前が家長だ、と。 『座敷童子』は本当に憑いて来たのだ。     
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