1人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしは知ってる。
君があたしを妹みたく可愛がってること。
君が舐める飴は、あたしにあげそびれて溶けた飴だけだってことも。
あたしと君はご近所さんで必然的にあたし達は幼なじみ。
君の両親が共働きで昔から、上手くいっていないことも知ってる。
だから、君が孤独を感じる度ずっと一緒にいたあたしに依存してることも知ってる。
そんな君は好きな人という色眼鏡を外しても格好良い。
透明感のある整った顔、目にかかるくらいのセンターパートの黒髪。長い手足。
私と君は登下校や休み時間はいつも一緒。
それでもあたしが居ないところで告白されてる。
例えば君がトイレに行く途中の廊下とかで。
でも、その度に「幼馴染が一番大切だから、二番目でいい?」って断ってるのも知ってる。
あたし達にとっては今は高校生で最後の夏。
来年は、大学生になるからお互い第一志望から考えると一緒に帰ることも難しくなるだろう。
だから高校生最後の夏は、カップルとして過ごしたい。
出来ることならこの補習期間に。
補習が終わって下校中、決意を込めてガッツポーズをすると不思議そうに隣の君が顔を覗き込んでくる。
最初のコメントを投稿しよう!