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(あれ?お婆さん?イヤだ…えっ?もうこんな時間)
時計を見ると10時を回っていた
(嘘~いつのまに)
急ぎ足で古いアパートへと向かった 築30年は過ぎてるであろう木造アパートは壁が薄く 隣の声も聴こえる
遅くなるときは足音さえ気を使う ゆっくりドアを開け 灯りを点けて お湯を沸かしカップ麺に注いだ
洗濯は終末にまとめてする始末
(ハァ~早くこのアパートから出たい)
ラーメンをすすりながらTVを観てると母親からメールが入った
(ん?何だろう)
電話で話せないかとの連絡だったが このアパートじゃ無理だと伝え 明日電話するとメールで伝え そのまま眠りに入った
(ん…誰?)
ドアを叩く音で目を覚まし 時計を見ると10時を回っていた
(ハッ?もうこんな時間 あ!誰ですか?)
(お母さんよ 開けなさい)
(え?嘘…待って)
ドアを開けると沢山の荷物を持った母が立っていた
(どうしたの?)
(ちゃんと食べてるの?)
食材を抱えた母は冷蔵庫に詰めていた
(ありがとう 助かる)
(カレー作ろうか?)
(本当に?お母さんのカレー久しぶり 嬉しい じゃ私たまった洗濯する)
(美和子 あのね…)
(どうした?何?)
(お母さんさ お父さんと離婚しょうかと)
(ハァ?何言ってるの 冗談止めてよ)
(実はね お父さんには好きな女性がいるみたいで)
(ちょっと待ってよ どう言う事?)
(相手妊娠してるみたいで)
(妊娠?…それって 相手はどんな女よ)
(会社の派遣社員みたいで バツ1?とか言ってた)
(お母さん許したの?)
(お母さんも悪いのよ お父さんのお世話出来てなかったしさ)
(仕方ないじゃん お母さんは看護師で働いてるんだもん 夜勤だってしなくちゃいけないし お父さん酷いよ)
(………)
(お母さん 離婚の話もう少し考えて 私相手の女調べてみる)
(調べるって どうやって?)
(来週有給とって 帰るから それまで離婚の返事しないで)
作ったカレーを食べ 母は神奈川に帰って行った
その夜 私はお婆さんから貰った例のスマホと言う小型画面で父親を調べた
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