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しかしバレてしまった以上、長居するわけにもいかないわけで。
せっかく近所に、いい書店を見つけたと思ったのになぁ…。と、さっき堪えた溜息を、心の中で盛大に吐く。
彼女との距離をとったまま、仕方なくその場を去ろうと、もと来た通路を戻っていく。それにより、またも自分の顔が並ぶ音楽雑誌コーナーを通らなければいけなくなった。バレた直ぐそばから、なんつー拷問だ。
バレたきっかけがきっかけだけに、やや恥ずかしくもあり、ついつい早歩きになる。今更サングラスを掛けるのは尚更恥ずかしくて出来るわけもない。
さすがに店員だし追いかけてはこないか…。足早に辿り着いた出入口で念のため振り返り安堵していると、「あの…」と声がした。
小さすぎて視界に入らなかったが、彼女は既に下にいた。
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