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「味付けが良くて美味しい。味噌汁は今作ったのか、漬物がおいしいけどどこで買った?」
「味噌汁はあり合わせで作りました。漬物も余ったお野菜の一夜漬けです」
「料理が上手だね」
「母が教えてくれました」
「今朝、言っていたけど、お父さんはインフルエンザがもとで亡くなったのか?」
「そうです、無理をして、肺炎になって、私が高校1年の時に、あっという間になくなりました。だから油断してはいけません」
「お母さんはどうしている?」
「父が亡くなってから実家の仕事の手伝いをしています」
「大変だったんだ」
「母は苦労をしました。私はそれに甘えていただけで、ありがたく思っています。そんなことより、食べ終わったら早く休んでください。明日の朝の調子で出勤するか判断したらいいと思います。でも私は大事をとってもう1日休養されることをお勧めします」
「分かった。明日の朝の状況で判断する。ありがとう」
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翌朝、大事をとってもう一日休むことにした。確かにここのところ忙しかったし、夜遊びもした。疲れが溜まっていたのかもしれない。だからインフルエンザにも感染した。地味子の忠告に素直に従うことにした。
その日はベッドで横になったり、テレビを見たり、読書をしたり、いつもの休日とは違った過ごし方をして、身体を休ませて、ゆとりを取り戻せた。明日からは出勤しよう。
6時半過ぎに地味子が帰ってきた。今日の昼は冷食のチャーハンを準備してくれていた。夕食が楽しみだ。
地味子がドアをノックして顔を出す。
「夕食はシチュウーにしました。少し時間がかかります」
「お腹が空いた。楽しみにしている」
本当に楽しみにしていた。7時過ぎに呼ばれてテーブルに着くと、シチューが用意されていた。ほかに野菜サラダがあった。
おいしいシチューだった。おいしかったので、お代わりを2回もした。お代わりをすると地味子も嬉しそうだった。
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