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入口で参加者が拍手で迎えてくれた。花嫁の結衣さんを見ると皆、歓声を上げた。皆「おめでとうございます」と言ってくれる。
秋山副工場長の挨拶と乾杯の音頭で立食のパーティーは始まった。皆それぞれ二人のところへ挨拶に来てくれる。披露宴の様子はYouTubeで中継されていた。会場の準備をしながら皆で見ていたと知った。
それなら隆一の挨拶も聞いていたんだろう。「運命的な出会いだったのですね、とても素敵ですね」と何人にも言われた。一言挨拶をしてほしいと言われて話すことになった。
「今日は社員の皆さんに結婚のお祝いをしてもらってありがとう。友人の挨拶を聞いて知っていると思いますが、私たち二人の出会いは今から考えると運命的なものでした。こうして社長になったのも定めだと思っています。これからも非力な私に皆さんの力を貸していただきたい。どうかよろしくお願いいたします。妻が一言お話したいと言っていますので代ります」
「皆さん、今日はこんなに素敵なお祝いの会をしていただいてありがとうございます。また、祝福のお言葉をかけていただいてとても嬉しいです。真一さんと婚約した時に、ここの方から、社長が見初められたお方だから、よっぽどよい方なんでしょうねと言われたと聞きました。それを聞いてとても嬉しかったのを覚えています。私は真一さんを支えてお店のお役に立ちたいと思っています。どうか皆様も社長の真一さんを支えていただけますよう、よろしくお願いいたします」
皆、拍手をしてくれた。結衣さんも嬉しそうだった。それから結衣さんはパートの女子社員に囲まれて話をしていた。これなら社員ともうまくやってくれると安心した。
会場を離れる時に秋山副工場長に「飲酒運転をしないように皆に言っておいてくれ」と言い残した。社長業もこれでなかなか大変なのだ。
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7時過ぎにタクシーで二人はホテルに帰ってきた。本当は二人きりになるとすぐに結衣さんを抱き締めてキスしたかった。でも部屋につくと疲れがどっと出てその気力がなくなっていた。
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