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結衣は時々無意識に俺にしがみ付く。それが何とも言い難く可愛いく愛おしい。じっと薄明りの中で結衣の顔を見ていた。
どれだけ見ていたか分からない。結衣が目を開けた。そして俺と同じように昨夜はあのまま眠ってしまったことに気づいたようだった。
「何もしないで眠ったんですね」
「二人とも余程疲れていたみたいだ。結衣はもう元気になった?」
「はい、真一さんは?」
「もうだいぶ前に目が覚めて結衣の寝顔を見ていた」
「どうして起こしてくれなかったんですか? すぐに可愛がってください。お願いします」
俺と結衣は愛し合った。結衣はあの時と同じように喉の奥から絞り出すように、悲しくて泣いているのか快感からなのか分からない声を出していた。もう一度聞いてみたいと思っていたあの魂に染みてくるような声を聴きながら思う存分、結衣を可愛がっていた。
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