4.地味子と賃貸雇用契約を交わした!

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「それから来週の日曜日の午後に荷物を搬入しますから、よろしくお願いします。もう引越し屋さんに頼みました。荷物は多くありませんから、お手伝いは不要です。立ち会っていただくだけで結構です。それでは失礼します」 地味子は契約書をリュックにしまって帰っていった。隆一は何か言いたそうに残った。 「はじめて彼女と話したが、しっかりした良さそうな娘じゃないか? 地味だけど好感が持てる。おまえの方こそ好きになったりしないか? 大丈夫か?」 「隆一にしてはおかしなことをいうな」 「おまえ好みのような気がしたからな」 「馬鹿を言うな。それは絶対にない。だから同居人に選んだ」 「それならいいが」 「すまないな、立会人になってもらって」 「この方が後々まで心配ないからな。これがよかったと思うよ」 いつも隆一には助けられている。今度もいろいろ知恵を貰った。持つべきものは頼りになる友人だ。 ************************************ 地味子の引越しの日の日曜日になった。昨日のうちにサブルームをはじめ各部屋の掃除をしておいた。はじめから汚れた部屋を掃除してもらうのは忍びない。 約束したとおり、コンシェルジェには従妹が同居すると話しておいた。また、引越しの日時も知らせておいた。 コンシェルジェは分かりましたと、それ以上は何も聞かなかった。住人のプライバシーの問題には触れてこない。まあ彼にはどうでもよいことだ。 午後1時にコンシェルジェから電話が入る。ここの電話は内線も入るようになっている。すぐに通してくれるように言った。しばらくしてドアチャイムが鳴る。 ドアを開けると私服の地味子がいた。どこかのおばさんのような地味な服装だ。地味子の後から、引越し屋が荷物を部屋に運び込む。 机と椅子、小型テレビ、2人掛けのソファー、座卓、ふとん、後は段ボール箱が20個くらい。すぐに搬入が終わった。確かに手伝うことはない。立ち合いだけで十分だった。俺はソファーに坐ってそれを見ている。終わると地味子が挨拶に来た。
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