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「熱は下がったので、出勤しようかと思っている」
「絶対に今日は休んで下さい。無理しないで下さい」
「もう大丈夫だから」
「私の父はそれがもとで亡くなりました。だから行かないで休んでください」
「知らなかった。お父さんはこれがもとで」
「朝食を召し上がって下さい。準備ができています」
テーブルにはトーストとミックスジュースがあった。
「お腹にやさしくて水分が取れるものを考えました。ジュースには牛乳、ヨーグルト、バナナ、リンゴ、ニンジン、キャベツが入っています。たくさん飲んで下さい」
ジュースはとてもおいしかった。ほどほどの冷たさで味も良い。3杯飲んだ。
「本当に今日も1日休んでください。お昼に見に来ますから、その時昼食になにか買ってきます。いいですか安静にしていてください。約束ですよ」
そういうと、後片付けを終えて、替えた下着などを洗濯機にかけてから、地味子は出勤した。
12時過ぎに地味子はまた戻ってきた。昼食におにぎりをいくつかとインスタントの味噌汁を買ってきてくれた。これもなかなかおいしいかった。また、乾燥した衣類を片付けてくれた。
3時に熱を測ったら37℃あった。やはり出勤しなくてよかった。寝ていても身体がだるい。また、眠った。
5時に目が覚めた。身体がすっきりした感じがした。体温の測ると36.5℃だった。ようやく回復したと実感できた。そうなるとお腹が減ってたまらない。地味子はまだ帰ってこない。早く帰ってきて夕食を作ってほしい。
6時半過ぎになって。地味子が帰ってきた。ドアから顔を出す。
「ごめんなさい。遅くなって、仕事が立て込んでいて、すぐに夕食の準備をします。体調はどうですか?」
「もうすっきりした。身体のだるさもなくなった。熱は平熱になった」
「そうですか、では、お肉料理でも作ります。待っていてください」
準備ができたと呼ばれてテーブルに着くと、料理が並べられていた。
「生姜焼き定食になります。私の肉料理はこんなものですが、召し上って下さい」
まさしく、生姜焼き定食だった。野菜がたくさん入った味噌汁がついている。それから漬物。生姜焼きの味付けがいい。それに味噌汁もおいしい。漬物は一夜漬け?
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