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灰色の短髪に両耳ピアスの男にそんなことを言われ、空也は少しだけムッとしてしまい、その男に飛びかかったのだが、身体の平衡が保てずによろめいてしまった。
するとそこにもう1人の男、右側がネイビーの少し長めの髪、左側が金で短めの髪の男が空也の耳に強烈な音を発する。
「・・・!!」
空也の耳からは血が出てきてしまい、足にも力が入らずに片膝を地面につけてしまった。
動けずにいる空也へと灰色の髪の男が近づいて行くと、空也の頭に触れようとした。
「脳味噌ごと潰してやるよ」
その時、空也が倒れていた場所の地面が盛り上がり、空也の身体はそのままコロコロt転がって行く。
空也の身体が行き着いた場所には、ある人物が立っていた。
「弱くなったか?空也」
以前とは違い、落ち着いた雰囲気だった。
黒の上着の中に少し大きめの白いニットか何かを着て、下は黒で黒っぽい茶色のブーツを履いている。
髪の毛は短いのだが、見覚えのある赤黒い色を帯びている。
「なんだ?お前」
灰色の髪の男が、空也を仕留めることを邪魔された不機嫌な様子を全く隠すこともなく顔に出せば、足元に転がって行った空也を足で止めたその男は、ポケットからアーモンドを取り出して口に入れる。
「てめぇなんぞの名乗る心算はねえよ」
「ああ?」
灰色の髪の男が手をかざすと、ぐわん、と世界が引っくり返ったように感覚がおかしくなっていく。
身を屈めて手を地面につけると、灰色の髪の男と2種類の髪をもつ男の足元を沼にして沈めようとする。
だが、2種類の髪をした男が右手を軽く上げて自分の耳横を通る形で後ろから前に動かすと、空也たちは何か強い衝撃によって、魔法界の敷地から遠く飛ばされてしまった。
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