兄を待ちながら

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     ≠ (かっこいい)→      ↓ (貴方は濡れなかったんだね。良かった)=(嬉しい)              ↑        (こんなみっともない姿で申し訳ない) ■□■□■□■□ 俯瞰的に物事をみる癖のある自分は、自身の状態異常に気づいた。 あ、わたしは今、パニックを起こしています、と。 「……ねえ。だいじょうぶ?」 そう言われた瞬間、こいつの顔をガン見していること。 そして目の前で手のひらが振られていたことに気が付いた。 「あ、この制服?今日は部活だったんだけど、雨で中止。で、解散てこと。」 制服なんてどうでも良い! 不思議なのはそこじゃなく、あなたがここにいることだ。 学校からそこまで遠くないレンタルDVD店で取り寄せてもらっていた、大好きな監督のデビュー作。 それを取りに来ただけなのに、なぜ土曜日にあんたに出会うんだ。 しかも、雨に関する音しかしない、この半密室に。 二人きりで。 まるで相合い傘みたいじゃあないか。 そう思うと、瞬時に頭の芯が火照るような感覚。 そして、それが首元、胸元、そして全身へと広がっていく。 あれ、体温でワンピース、乾くかな。 そんなバカなことまで思いつく。 気が付くと、いつの間にかあいつの顔が突然近くにあった。いた。     
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