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≠ (かっこいい)→ ↓
(貴方は濡れなかったんだね。良かった)=(嬉しい)
↑
(こんなみっともない姿で申し訳ない)
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俯瞰的に物事をみる癖のある自分は、自身の状態異常に気づいた。
あ、わたしは今、パニックを起こしています、と。
「……ねえ。だいじょうぶ?」
そう言われた瞬間、こいつの顔をガン見していること。
そして目の前で手のひらが振られていたことに気が付いた。
「あ、この制服?今日は部活だったんだけど、雨で中止。で、解散てこと。」
制服なんてどうでも良い!
不思議なのはそこじゃなく、あなたがここにいることだ。
学校からそこまで遠くないレンタルDVD店で取り寄せてもらっていた、大好きな監督のデビュー作。
それを取りに来ただけなのに、なぜ土曜日にあんたに出会うんだ。
しかも、雨に関する音しかしない、この半密室に。
二人きりで。
まるで相合い傘みたいじゃあないか。
そう思うと、瞬時に頭の芯が火照るような感覚。
そして、それが首元、胸元、そして全身へと広がっていく。
あれ、体温でワンピース、乾くかな。
そんなバカなことまで思いつく。
気が付くと、いつの間にかあいつの顔が突然近くにあった。いた。
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